2012年4月11日水曜日

ネパールの武道教育について!大橋千秋氏に聞く!  記者:ルーンゲール In Kathmandu

翻訳:武勉虎
◎ルーンゲール:大橋千秋氏は、世界拳法会連盟の会長であるとともに人文学者で武道哲学者でもある。大橋氏に、武道を通して人間の哲学的訓えについてたずねた。
 大橋:日本の武道(武士道)は、仏教の教えと深いつながりがある。また、釈迦は、あなた方の国であるネパールのルンピニーで生誕している。その武士道精神を基に拳法会は、世界と繋がっている。

◎ルーンゲール:武士道精神とは、如何なるものか、たずねた。
 大橋:「世界チャンピオンとなるのは、容易であるが人生の世界チャンピオンになるのは、難しい」と述べた。この言葉の意味するところは、拳法武術を教えるのではなく一生を通した武士道と言う人間哲学を教え人の一生を完成することにあると確信する。

◎ルーンゲール:ネパール拳法会・ネパールの青少年健全育成を確立するには、どうしたらよいか?手法をたずねる。

 大橋:ネパールの青少年には、学校教育に特に体育教育が必要と考える。小学校に体育教育があれば、心身の健全育成と共に「お互いに協力」することを体得し譲り合いの精神を養うことが出来る。先ずマナーを守る意識を養う為にも「体育教育」は、必要です。


◎ルーンゲール:ネパールで武道は、大変人気がありますが問題点についてお話下さい。
 大橋:人気があることは、大変に嬉しいことですが複数の空手、柔道、剣道など乱立しています。皆それぞれ主張が強く、まとまって行動することがありません。生徒も指導者も一貫性がない状態です。このあり方を是正し共に学び統一見解とし体育教育などを提唱すれば、ネパールの若者をより健全に育成し更に社会に貢献するようになると確信します。


◎ルーンゲール:ネパールにおける日本武道について。
 大橋:日本の武道は、特権階級であった武士(Samurai)が礼徳(礼儀・道徳)を修得し惻隠(おもいやり)と感謝の精神と公共性(昔は、国・主君)を根本としています。拳法会は、武道=武士道と理解しています。その武士道精神を南アジアへ伝承するネパール拳法会は、重要な立場にあります。おおくの武道関係者に伝承しなくてはなりません。その自覚を促すことを、日本側からネパール側にもお願いしたいと考えます。

◎ルーンゲール:ネパールにおける「武道と政治家の関係」をどのように見ていますか?
 大橋:ネパールでは、何かあれば、直ぐに政治家とか大臣とか「権力主義」が好きな人が多いようですが武士道とは、哲学であり、ここでは、政治とは、別物と考えるべきでしょう。その教えは、個人のためでなく国家であり全国民の為でるように公共の精神をもつSamurai(サムライ)の育成にあります。(武士道の「主君の為になる事」とは、「公共のためになる事」です。)
ネパールの政治家も日本の政治家も多くは、「武士道と礼徳」を守って道を貫いているとは、思えません。(ここでは、本来、政治家、役人は、サムライでなくてならないが隔たりがあるので別としておきましょう。)


◎ルーンゲール:ネパールで武道を学ぶ若者に一言
 大橋:ネパールの若者全体が「志が低い」と考えます。大きな志があれば、小さな目先の利で道を変えたり、迷うことはないからです。日本もネパールもアジアの小国です。志を大きく持っていれば、大国から餌をぶら下げられても動かぬものです。若者のみなさん、自分の大志を明確にしていれば、自分が勝手に見る幻に惑うことは、ありません。

◎ルーンゲール:ありがとうございました。先生のお話は、ネパールの若者に大きな影響を与えたと確信します。

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