武専(大日本武徳会武道専門学校)での稽古は、一言に言えば、「百錬自得」
曽根喜美男先生は、九段範士の石原忠美先生の話を以下のように綴っている。
「武専は皆専門家を目指し死の直前までぐらい鍛えますますから無我夢中です。皆負けじと、一生懸命です。武専の教育というものは、理屈じゃない”百錬自得”しなさいと言う教えでした。所謂、捨てるところを断ち斬っている。後のない稽古だったと言っています。」
「また、学生時代、に日独伊防協定で、ヨーロッパに行った。
イタリヤ・ナポリに上陸するまでの一ヶ月間毎日、巻藁の試し斬り形を稽古しました。試し斬りは、今非常に役立った。」と言っていました。
イタリヤ・ナポリに上陸するまでの一ヶ月間毎日、巻藁の試し斬り形を稽古しました。試し斬りは、今非常に役立った。」と言っていました。
「試斬りをやってみて、”踏み込み足”で斬るのと”すり足”で斬るのと比べると踏み込み足は難しく、すり足でやった方が見事に斬れる。「斬る剣道は歩み足」である。
「我々が出発する時、祝賀会で中山博道先生が居合を披露された。巻き藁を二段重ねにして、それを大技でスパッ・スパッと斬る。
真に物差しで計ったように、真直ぐ斬れる。・・・・」とはなした。
真に物差しで計ったように、真直ぐ斬れる。・・・・」とはなした。
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さて、わたしの大学時代の師である加藤治祐先生も武専で同じ気風で指導をしていた。高齢なので「すり足」が多いのか?踏込が出来ないのか?とも思っていた。
しかし、今に思えば、日本刀で斬りあうには、双方の理をわきまえなければ、効果的に闘えない。
日本刀で「百錬自得」の訓えのもと試斬と真剣勝負をした後にようやくわかった事である。