「中学校の武道必修化の問題点と部活動誕生の歴史」
大橋 忠幸
中学校、高等学校などの中等教育においては、部活動は課外授業である。
1958年の学習指導要領では、特別教育活動の1つとして、生徒の自発的な参加によって行われる活動とされていたが、中学校では1972年、高等学校では1973年改訂の学習指導要領から、クラブ活動は特別活動の一領域として必修とされた。
中学校では1993年、高等学校では1992年改訂の学習指導要領では、「部活動への参加をもってクラブ活動の一部又は全部の履修に替えることができる」と明記された。しかし、中学校では2002年、高等学校では2003年改訂の学習指導要領で必修のクラブ活動は廃止され、現在では各校の実態に応じて、課外活動の一環として部活動が行われている。
なお、初等教育、中等教育段階の部活動等に伴う競技については、主催者の明確化、勝利至上主義の排除、参加の本人意志の尊重など、全国的な基本基準が定められており、これに基づいて各教育庁や学校、団体等も詳細な基準や安全対策等を作成し、責任の明確化と児童・生徒の健康や学業に支障のない範囲で活動が行われることになっている。
日本の中等教育における部活動の問題点として、指導要領に明確な規定が存在していないという点が指摘されている。これまで部活動は生徒の自主的な活動と位置づけられ、教員による顧問もまた建前上は自主的な活動とされている。
中学校の武道必修化において文部科学省では
「武道は、武技、武術などから発生したわが国固有の文化であり、相手の動きに応じて、基本動作や基本となる技を身に付け、相手を攻撃したり相手の技を防御したりすることによって、勝敗を競い合う楽しさや喜びを味わうことができる運動です。また、武道を積極的に取り組むことを通して、武道の伝統的な考え方を理解し、尊重して練習や試合をできるようにすることを重視する運動です。」
と書かれているが、武道必修化における問題点は指導者と考える。
「教員の負担を減らし、多くの児童生徒と向き合う時間を確保する観点から地域スポーツの人材を(外部指導者)の活用等について実践的な研究を行う。」
外部指導者により武道の基本動作や伝統的な考えといったものは武道の経験がない教員が行うよりも良い指導が行われると思うが、それに伴いどれだけの外部指導者が授業を行ってくれるのかが重要になってくるのではないだろうか。
そのためにも地域スポーツと学校の結びつきが必要であり、自分を含め地域スポーツの人材としては、もしも外部指導者として必要とされる時のことを思えば今以上に武道に対する考えを深めていかなくてはならないのではないかと考える。
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